ガイド
Macで製品デモ動画を作る方法
よい製品デモは短く、音を消しても意味が通じ、製品で価値のあることを1つ、実際にやって見せます。スタジオも専属の動画編集者もいりません。このガイドでは、台本の最初の1行から書き出しまで、Macでの作業の流れを、各ステップで大事な設定とあわせて紹介します。今週中にデモが必要な創業者、開発者、プロダクトマネージャーに向けて書いています。
結論から
- 目的と視聴者を1つずつに絞り、1つのワークフローを60〜120秒で見せる台本を書きます。
- Macを準備します。おやすみモードをオンにし、散らかったものを隠し、デモ用のデータを読み込み、文字を読める大きさにします。
- ウインドウまたは範囲を、マイクをオンにして、途切れなく1テイクで録画します。
- 決まった順番で編集します。ミスをカットし、待ち時間を早送りし、ズームを確認し、字幕を付け、音を整えます。
- 公開先ごとに書き出します。WebサイトとYouTubeには16:9のMP4、SNSには縦型、ドキュメントにはGIF。
ステップ1:デモの目的を決める
よいデモは、1種類の視聴者が持つ1つの疑問に答えます。ホームページの訪問者は、製品で何ができるかを知りたがっています。試用中のユーザは、どうすれば結果が出るかを知りたがっています。見込み客は、自分の課題が解決されるところを見たがっています。アプリを開く前にどれか1つを選びましょう。それによって長さも台本も、動画を載せる場所も決まります。
- ランディングページやローンチの投稿:30〜90秒。課題から結果まで、1つのワークフロー。
- 機能の発表:15〜45秒。新しい部分だけを、実際に使う流れの中で見せます。
- チュートリアルやオンボーディング:2〜5分。見ながら真似できるペースで、すべてのステップを見せます。
- 営業のフォローアップ:2〜3分。見込み客自身のユースケースに沿って構成します。
ステップ2:短い台本を書く
話すことと、クリックするものを並べて書きます。ナレーションの速さは英語なら1分あたり130〜150語ほどが一般的で、90秒のデモならおよそ200語です。この制限が役に立ちます。紹介したいけれど必要のない機能を削ることになるからです。
- 冒頭の1文で、視聴者自身が使う言葉で課題を示します。
- 結果を早めに見せます。完成したレポート、デプロイされたアプリ、支払い済みの請求書など。
- そこに至るステップを順に見せます。立ち止まって見せる場面は3つまでにします。
- 最後は次の一歩を1つだけ示します。トライアルを始める、ドキュメントを読む、打ち合わせを予約する、など。
補足 録画せずに一度クリックの流れをリハーサルしておきましょう。読み込みの遅いページ、足りないアクセス許可、忘れていたダイアログを、テイクを無駄にする前に見つけられます。
ステップ3:Macを準備する
- 通知を止める:コントロールセンターを開いて“集中モード”をクリックし、“おやすみモード”をオンにします。
- 不要なアプリを終了する:チャット、メール、関係のないブラウザのタブなど。バッジの数やタブのタイトルは、思った以上に多くを見せてしまいます。
- デスクトップの散らかりを隠す:“システム設定”>“デスクトップとDock”で“項目を表示”の“デスクトップに”をオフにする(macOS Sonoma以降)か、ウインドウや範囲を録画してデスクトップがフレームに入らないようにします。
- デモ用のデータを読み込む:現実的な名前や数字の入ったサンプルのアカウントを使います。lorem ipsumや、実在する顧客のデータは使いません。
- 文字を読みやすくする:⌘+でアプリを110〜125%に拡大するか、“システム設定”>“ディスプレイ”で文字が大きくなる解像度を選びます。
- ウインドウの形を整える:16:9に近いウインドウなら、16:9の動画に広い余白なしで収まります。
- ポインタのサイズは気にしなくて大丈夫:Shotnixは録画後にポインタを0.6×〜4×で描き直します。ポインタが映像に焼き込まれる録画ソフトを使う場合は、先に“システム設定”>“アクセシビリティ”>“ディスプレイ”>“カーソルのサイズ”で大きくしておきます。
- 音の準備をする:口元に近いヘッドセットかUSBマイクを使い、柔らかい素材の多い静かな部屋で録音します。
ステップ4:録画する
途切れなく1テイクで録画します。言い間違えたら、少し間を置いて同じ文を言い直し、そのまま続けます。言い間違いはあとでカットすればよく、1テイクなら声、ポインタ、画面がずれません。
- メニューバーのShotnixアイコンをクリックし、1つのアプリなら“ウインドウを収録”、決まった範囲や並べた2つのウインドウなら“範囲を収録”、複数のアプリをまたぐ流れなら“画面全体を収録”を選びます。ウインドウの録画ではそのウインドウだけが録画されるので、上に重なるものは映らず、ウインドウを動かしても追いかけます。
- 収録バーで“マイク”をオンにします。製品の音を聞かせたい場合だけ“システムオーディオ”を、顔を入れたいなら“カメラ”を、デモでキーボードショートカットを使うなら“キーボードショートカットを表示”をオンにします(macOSがアクセシビリティのアクセス許可を求めます。通常の文字入力は記録されません)。
- スクロールやドラッグが多いなら、デフォルトの60fpsのままにします。クリックしていくだけなら30fpsで十分です。
- “収録”をクリックし、ひと呼吸おいて台本どおりに進めます。準備の時間がほしいときは、収録バーの…メニューで3秒、5秒、10秒のカウントダウンをオンにします。立て直したいときはHUDから一時停止できます。一時停止中の時間は動画に入りません。
- HUDかメニューバーのタイマーから停止するか⌃⌘Escを押し、“ビデオを編集”をクリックします。
補足 標準のツールだけを使う場合:⌘⇧5で画面全体、選択部分、またはウインドウ1つ(macOS 26以降)を.movに録画できます。マイクの音声も、macOS 27以降ならシステムオーディオも録音できます。クリックが見えるように“オプション”で“マウスクリックを表示”をオンにします。ズーム、字幕、手直しは、そのあとiMovieで手作業になります。
ステップ5:この順番で編集する
順番が大事です。あとでカットする部分を磨いても意味がないからです。以下はすべてShotnixのエディタで行い、どれも取り消せます。
- ミスをカットする。クリップの端をドラッグして最初と最後をトリミングします。次に“字幕”タブを開いて“文字起こし”をクリックし、言い間違えた文を選んでDeleteキーを押すと、動画からカットされます。残りは“フィラーを削除”と“無音部分を短縮”で整えます。無音部分が短縮されるのは、画面上で何も起きていないところだけです。
- 待ち時間を早送りする。“動きのない区間を早送り”は、ページの読み込みやビルドなど、動きもクリックも音もない区間を早送りします。それ以外は、クリップの速度を0.5×〜16×で設定します。
- ズームを確認する。“自動ズーム”が連続したクリックごとにズームを配置しています。役に立たないものは削除し、グラフや数値を映し続けたいズームは“手動で位置を指定”に切り替え、“この倍率をすべてのズームに適用”で倍率をそろえます。
- ポインタを磨く。“ポインタ”タブでスムージングを“滑らか”か“シルキー”にし、小さな画面なら少し大きめにして、クリックエフェクトを加えます。“‘停止’への移動を非表示”をオンにすれば、動画の最後が停止ボタンへ急ぐ動きで終わりません。
- ポイントを示す。大事な瞬間にはテキストの注釈(T)か矢印(A)を、読んでほしい数値にはハイライト(H)を、見せたくないものにはぼかし(B)を加えます。ぼかしはズーム中も対象に留まります。
- 字幕を付ける。“字幕”タブで“テキストで編集”から“字幕”に切り替え、製品名を校正して、見た目、サイズ、位置を選びます。
- 必要ならブランドを入れる。ドックの“画像”でロゴを、“スタイル”タブでオープニングとエンディングのタイトルカードを、“オーディオ”タブでBGMを追加します。音楽は声に合わせて自動で音量が下がります。
- 音を整える。“オーディオ”タブで“声を補正”をオンにして背景ノイズやハムノイズを除去し、“音量を均一化”をオンにして書き出しを−16 LUFSにそろえます。
- フレームを整える。“スタイル”タブで背景、余白、角の丸みを選び、“新しい収録に使用”をクリックすれば、次回も同じ見た目を使えます。
補足 下書きは自動で保存されます。最初からやり直したいときは、コマンドパレット(⌘K)に“元の収録に戻す…”があります。
ステップ6:公開先に合わせて書き出す
- Webサイト:1080pのMP4、細かい文字の多い画面なら1440p。どこでも再生できるようH.264にします。品質は“SNS”がバランスのよいデフォルトで、“Web”がもっとも小さなファイルになります。音を消して自動再生するなら、字幕は焼き付けておきます。
- YouTube:16:9で1080pか4K、品質は“SNS”か“スタジオ”。そのうえで、“字幕を保存”で作った.srtを字幕としてアップロードします。
- LinkedInなどのフィード:1:1か4:5で、字幕を焼き付けます。ほとんどのフィードは音なしで動画を再生し始めるからです。
- リール、ショート、TikTok:アスペクト比を9:16に切り替えます。録画が縦長のフレームいっぱいに広がってポインタを追ってパンし、カメラ、字幕、キーキャップは位置を保ちます。
- ドキュメント、README、プルリクエスト:GIFを“小”か“中”、10〜15fpsにして、15秒程度までに収めます。GIFはすぐに大きくなります。
- チャットやメール:“コピー”で書き出すと、そのままクリップボードに入り、すぐにペーストできます。
- 複数のバージョン:書き出しはバックグラウンドで順番に処理されるので、16:9の書き出しを始めたら9:16に切り替え、最初の書き出しのレンダリング中にもう一度書き出せます。
補足 書き出す前に、シートに正確なピクセルサイズと推定ファイルサイズが表示され、録画より高い解像度を指定すると警告が出ます。“エンドカード”をオンにすると、最後のフレームのあとに2秒のエンディングが加わります。オンにしない限りオフです。
公開する前に
- 音を消して一度見ます。それでも話が伝わるなら、字幕と吹き出しがしっかり働いています。
- スマートフォンで見ます。目を凝らさないと読めない文字があれば、もっと寄るか、高い解像度で書き出します。
- 見せてはいけない情報がないか、早送りで確認します。メールアドレス、APIキー、顧客名、タブのタイトル、紛れ込んだ通知など。
- 最初の5秒を確認します。映っているのは読み込み画面ではなく、課題か結果であるべきです。
- ヘッドフォンで聴いて、クリック音、ハムノイズ、セクション間の音量の差がないか確かめます。
標準のアプリだけでもできる?
できますが、時間がかかります。⌘⇧5で録画し、iMovieで動画を組み立てます。トリミングと分割、クリップの速度変更、タイトルとしての字幕の入力、Ken Burnsでのクリップごとのズーム、別に録画したカメラのクリップのピクチャインピクチャでの追加。1本だけならなんとかなります。リリースのたびに作り直すデモでは、手作業のズームと字幕に何時間もかかります。
よくある質問
製品デモ動画の長さはどれくらいがよいですか?
課題から結果まで1つのワークフローを見せられる長さで、それ以上は長くしません。ランディングページやローンチなら30〜90秒、チュートリアルなら2〜5分です。長くなり続けるなら、短い動画に分けましょう。
製品デモ動画の解像度はどれくらいがよいですか?
1080pなら間違いありません。画面に細かい文字がある場合や、大きなディスプレイで全画面で見られる場合は1440pか4Kにします。ズームしてもシャープに保てるよう、ディスプレイのフル解像度で録画します。
製品デモに顔を出すべきですか?
信頼が大事な場面では効果があります。創業者自らが紹介するローンチ、営業のフォローアップ、チュートリアルなどです。ランディングページで自動再生する短いループなら、たいていは製品だけのほうが効果的です。カメラを独立したトラックとして録画しておけば、編集の段階で決められます。
LinkedIn、リール、TikTok向けのデモ動画はどう作りますか?
アスペクト比を1:1、4:5、9:16のいずれかに切り替え、字幕は焼き付けておきます。Shotnixでは、横長の録画が上下に帯の入った小さな映像に縮むのではなく、縦長のフレームいっぱいに広がり、ポインタを追ってパンします。
Macで無料で製品デモ動画を作れますか?
作れます。標準の⌘⇧5での録画とiMovieは無料ですが、ズームと字幕は手作業です。Shotnixは無料のオープンソースで透かしも入らず、macOS 13以降のAppleシリコン搭載Macで、録画と編集を1つのアプリで行えます。
デモ動画に台本は必要ですか?
短いものがあると役に立ちます。クリックの手順に1文ずつ添えたリストだけでも、デモが引き締まります。読み上げるのではなく自分の言葉で話し、言い間違いはあとでカットしましょう。
お使いのMacで試してみてください。
Shotnixは無料のオープンソースアプリで、すべてMac上で動き、透かしも入りません。Appleの公証を受けたアプリをダウンロードするか、GitHubのリポジトリにスターを付けて今後の開発をフォローしてください。
11.8 MB · Appleシリコン(M1以降)· macOS 13以降 · Appleによる公証済み · MITライセンス